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7種の犬と把手共行

神戸です。

数年前に、あるスポーツ選手の著書のタイトルにもなりよく聞かれるようになった「レジリエンス」という言葉があります。

【レジリエンス(resilience)とは、英語で「弾力性」「回復力」「しなやかさ」を意味する言葉です。心理学では「精神的回復力」と表現され、ビジネスでは「困難やストレスをうまく対処し、回復する力」という意味で使われます】

エンジニアだけではありませんが、仕事の中で様々な困難やストレスと対峙する機会は多いですよね。新しい環境に適応できずメンタルヘルス不全に陷ったり、適性がないと諦めて違う道を選ぶ方など、この仕事(キャリアコンサルタントやエンジニア派遣)をしてきてたくさんの方を見てきました。

直接的な原因がわかる場合は対処はさほど難しくありませんが(環境を変えたり、その障害を取り除くなど)、原因がわかりにくかったり、改善されたがしばらくして繰り返してしまうケースもあったりと、なかなか難しいなと感じています。そんなときに思い出す言葉のひとつです。

いろいろな事象に対して起こる「感情」が生み出すリアクション。ネガティブのものであればどうしても辛くなるし、ストレスがたまるのでしょう。起こる事象は選べませんが、この感情をコントロールすることはできると思うのです。

その際に有効な手段として、感情にとらわれている「もうひとりの自分」を客観的に観察することです。以前何かで読んだのですが、ネガティブ感情の原因となる思考パターンには7つの種類があり、それぞれがワンワンと吠えて感情を刺激することから以下の7種類の犬に例えられています。

①「正義犬」 ・・・ 『それは、不公平だ!』
  何が公平で正しいかを気にする。公平でないことが起きたとき、「怒り」、「憤慨」、「嫉妬」などの攻撃的な  感情を生み出します。
②「批判犬」 ・・・ 『彼らが悪い!』
  他人を非難したり、批判したりする。頑固で自分の意見を変えない。「怒り」や「不満」の感情を生み出します。
③「負け犬」 ・・・ 『私は役に立たない・・・。』
  自分の足りないところを気にしがち。「悲しみ」、「憂うつ感」、「羞恥心」などのネガティブな感情を生み出します。
④「謝り犬」 ・・・ 『私が悪いのです。』
  悪いことが起こると、自分のせいで起こったのだと自分を責める。「罪悪感」、「羞恥心」などの感情を生み出します。
⑤「心配犬」 ・・・ 『私にはできない!』
  うまくいかないことがあると、今後も失敗してしまうのではないかと不安になる。「不安」、「恐れ」などの感情を生み出します。
⑥「あきらめ犬」 ・・・ 『どうせうまくいかないから。』
  自分で状況をコントロールする自信がない。「不安」、「憂うつ感」、「無力感」などの感情を生み出します。
⑦「無関心犬」 ・・・ 『自分には関係ないよ。』
  面倒なことを避けようとする。ときに、「疲労感」を生み出します。

これらのワンちゃん達にどう対処するのか。方法はいろいろあるかもしれませんが、まずはそのような「思い込み犬」がいるんだと認識することが大切だと思うのです。そしてそれらを客観視する。その上で、余計だと思う犬は突き放したり、正しいと思えれば受け入れ、また、手なづけて飼いならす(コントロールする)など対処すれば良いのです。

7種の犬はもうひとりの自分だと思います。こう書いてしまうと犬たちは自分の敵のようなネガティブな印象を持つかもしれませんが、そうではありません。僕にとっては仕事でもプライベートでも常にこの「もうひとりの自分」が強力なパートナーとして必要不可欠です。迷ったときやつまずいたときなど、「大丈夫。なんとかなる」、「それを考えても仕方ない。やれることをやろう」などなど。ポジティブで頼れる助言をしてくれます。

禅の言葉で「把手共行(はしゅきょうこう)」というのがあります。手を取り合って共に歩んでいくという意味ですが、必ずしも信頼できる友人とではなくても、決して裏切らない、一番頼れるもうひとりの自分と対話しながら、で良いと思います。

まるで友達のいないボッチみたいですが(笑)。

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