TKPブログ

かかしについての会話から

名優、ジーン・ハックマンが亡くなった。

くせ者役が多かったが、すぐ思い浮かぶのはポパイと呼ばれた暴力刑事役の「フレンチコネクション」ではなくて、「スケアクロウ」という映画。

ここでもけんかっ早い刑務所上がりの役でハマっていた。共演のアル・パチーノもうまかった。ハッピーエンドにならないアメリカン・ニューシネマにおける「バディ・ロードムービー」ものの秀作ですが、ストーリーは省略します。映画のタイトルにもなっているScarecrow_スケアクロウとは、鳥から畑を守るあの「案山子(かかし)」のことです。映画の中でのふたりのやりとりで、案山子の話がでてきます。

Scare(怖がる)Crow(カラス)という意味のように、案山子は怒ったふうでカラスを怖がらせているようだがそうじゃないと。カラスを笑わせているんだと。カラスは、笑わせてくれる案山子はイイ奴だから、あいつの畑を荒らさないでいてやろうとするんだと。

殴ったり脅したりせずに笑わせることでうまくいく。怒りん坊のマックス(ジーン・ハックマン)に対して、優しいおどけ者のライオン(アル・パチーノ)が諭すシーン。そして、いい加減な人間としての過去を持つライオンの自業自得とも言える悲劇のラスト。

加えて印象的だったのは、荒くれ者の役のジーン・ハックマンが油まみれの指をベロベロと舐めながらケンタッキー・フライド・チキンを貪り食うシーン。とても美味そうで、よくあれを思い出してはKFCへ行き、テイクアウトして自宅で真似して食べたものです。

*写真は本文に関係なく、2月に吹雪の八甲田山で撤退を決めたときのものです(笑)。

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